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六地蔵
2023年05月01日
5月になりました、皆様いかがおすごしでしょうか。
先月は気温が例年のように上がらず少し寒い一か月となりましたね。5月8日からは新型コロナも季節性インフルエンザと同じ5類に移行致します。皆様の生活も以前よりさらに賑やかなものになるのではないでしょうか。とはいえ妙見寺ではこれ以上新型コロナでの感染者・死亡者が増えることなく、皆様が健康にお過ごしできますよう、毎日本堂でお祈りいたしております。 さて、今日は六地蔵様についてお話をさせていただきたいと思います。皆様がお寺へ行きますと、六体のお地蔵さまが並んでいるのをよくご覧になられることが多いのではないでしょうか。六地蔵とはすべての生きとし生けるものが生前の行いによって死後生まれ変わるとされる六つの世界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)すべてに赴きお救い下さる地蔵菩薩様のことです。お寺によって六地蔵様は山門の近くや境内にお祀りしていたりも致しますが、妙見寺では墓地にお祀りしております。これは亡くなられた故人様が良い世界に生まれ変わることを願って建てられたと言われております。六地蔵はそれぞれに名前があり、地蔵様によって持ち物が違います。何を持っているかは地域によって違いますが、今回は妙見寺の六地蔵様のご紹介をさせていただきます。妙見寺六地蔵 墓地にお祀りしております。(一番左)檀陀(だんだ)地蔵 地獄道を救い 錫杖と宝珠をもっておられます。(左から2番目)宝珠地蔵 餓鬼道を救い 数珠を両手で持っておられます。(左から3番目)宝印地蔵 畜生道を救い 経巻を持っておられます。(左から4番目)持地(じじ)地蔵 修羅道を救い 合掌をしておられます。(左から5番目)除蓋障(じょがいしょう)地蔵 人間道を救い 柄炉を持っておられます。(一番右)日光地蔵 天上道を救い 左手に宝珠を持っておられます。いかがでしたでしょうか、地蔵様は普段赤い前掛けをしておりますので何をお持ちかは見る機会はないかと思います。また、地蔵様はお寺以外に皆様が普段通る道にお祀りされていらっしゃいます。これは皆様が外で安全に過ごせますようにとお寺の建物の中ではなく外で皆様をいつも見守ってくださっているのです。道でお地蔵さまをお見掛けしましたら感謝を込めてお手を合わせてはいかがでしょうか。合掌 -
言辞施
2023年04月01日
4月になりました、皆様如何おすごしでしょうか。
妙見寺では春になり沢山の花が開花してまいりました。
先月はWBCで日本中が沸いておりましたね。お彼岸の期間中に決勝トーナメントが開催されていたこともあり、私がお参りで檀信徒様の家へ行くたびに野球の話題でもちきりでした。どの選手も素晴らしいプレーを見せてくださり選手も応援していた私たちも心が一つになるような素晴らしい試合でした。喜びを分かち合うということは本当に素晴らしいことですね。
皆さんも記憶に残っていらっしゃると思いますがWBCでMVPをとられた大谷選手は、アメリカとの決勝の前の円陣でこのようなことをおっしゃられました。
「ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、行こう!」
この言葉に鼓舞されチーム全員が活気づきました。これほどの士気を高める言葉はないのではないでしょうか。
仏教では「言辞施(ごんじせ)」という布施の教えがあります。
言辞施とは相手の気持ちを考え、相手へ思いやりの言葉を届けることです。
悲しい時には優しい言葉を、辛い時や苦しい時には励ましの言葉を送ります。
大谷選手の言葉は皆が必要としていた本当に心のこもった励ましの言葉でした。チームの選手だけでなくテレビ画面でみていた多くの人も大谷選手の言葉に励まされたことでしょう。
布施は物やお金を送ることだけが布施ではありません。心のこもった言葉は相手を安心させ勇気づける大切な布施なのです。大谷選手のように思いやりの言葉を身の回りの大切な家族や友人に伝えていきましょう。合掌
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韋駄天様の棚板を作りました
2023年03月01日
3月になりました、皆様いかがお過ごしでしょうか。
日中の気温も少しずつ温かくなり春が近づいてまいりましたね。最近はテレビのニュースで新型コロナウイルス感染の報道も目にすることが少なくなり、良い方向へ向かってきているのではないでしょうか。また以前のように皆様が気兼ねなくお寺をお参りすることができる賑やかな日常が戻ってまいりますことを切に願っております。
さて、2月は住職と東堂でお寺の守護神である、『韋駄天(いだてん)』様の棚板(たないた)を作成しました。以前より韋駄天様はお祀りしておりましたが、玄関の隣に置いたほうが参拝者様にも見ていただけるのではないかということでこの度韋駄天様を置く棚板を作ることに致しました。
集成材を使い自分たちでああでもないこうでもないと試行錯誤しながら、何とかビスの見えない上品な棚板が完成いたしました!韋駄天様は元はバラモン教の神さまで、シヴァ神の子であると言われております。
悪魔を打ち破る軍神とされ、仏教に取り入れられてからは四天王の増長天に仕え、寺院の守護神としてお祀りされるようになりました。韋駄天様は足が速いことで有名です。お釈迦様が亡くなられた後、お釈迦様の歯(仏歯)を盗んだ悪魔がおり、その悪魔を韋駄天様が早足で追いかけ、無事取り戻したという言い伝えがございます。そのことから盗難防止の神様として玄関にお祀りされるようになりました。現在では韋駄天と聞くと、「韋駄天走り」という言葉を使うように、非常に早く走ること、足の早い人のことを指したりしますね。
また、普段食事の終わりに私たちが何気なく使っている「ごちそうさま」という言葉ですが、これは正確には「御馳走様」となります。「走り回る」という意味である「馳走」が、韋駄天様が駆け巡ってお釈迦様のために食物を集めたことに由来し、食物を用意してくださった人たちに感謝の気持ちを込めて、「ごちそうさま」という謝意を表す言葉が生まれたわけでございます。そのため韋駄天様を「食べ物を司る守り神」として厨房にお祀りしているお寺もあるようです。
妙見寺では玄関に韋駄天様をお祀りしておりますので、お越しの際はぜひご覧いただきお手を合わせていただけましたら幸いでございます。合掌
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節分
2023年02月07日
2月になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
先月は太子町でも雪が降り全国的に気温の低い一か月となりました。まだまだ寒い日が続きますがくれぐれもご自愛ください。さて、先日2月3日は節分でしたね。皆様はどのような節分をお過ごしになられましたでしょうか。コロナの影響で大規模な節分祭は自粛されておりますが、各ご家庭ごとに豆まきや恵方巻を食べられ賑やかに過ごされたのではないでしょうか。
「節分」とは四季の変わり目を表し、四季の中でも冬から春の変わり目は年の変わり目を表します。旧暦では現在の2月3日頃が年の変わり目とされていました。今年は1月22日が旧暦の正月で、中国、韓国、台湾、アジアのあらゆる場所では前後数日間が祝日になり新年をお祝いされるようです。
日本では節分の時期は昔から年の変わり目に鬼に大豆を投げて退治するという伝統があります。皆さんこの節分の「鬼」とは何かご存知でしょうか?それは私たち自身の悪い心のことです。自分の悪い心のことを鬼に例えてます。
節分ではその悪い心の鬼を退治するために豆を投げます。例えば、人に悪口を言ってしまって後悔をしてしまったことがあるなら、悪口を言う自分の悪い心を退治するために豆を鬼に投げます。また食べ物で好き嫌いがあるなら、好き嫌いをする自分の悪い心を退治するために、豆を鬼に投げます。
なぜ豆を投げるかというと、色んな諸説があるのですが、「豆」は「魔滅」とも読むことができ、悪魔を滅することを表します。ですから豆を鬼に投げるわけです。
鬼(自分自身の心の鬼)を退治して心穏やかに素敵な一年を過ごしてまいりましょう。
下の写真は先日妙見寺に現れた鬼です。とても手ごわい鬼でしたが何とか息子が豆を投げて退治いたしました(^^)
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新命住職のご挨拶
2023年01月01日
令和五年を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
妙見寺では、昨年十二月より妙見寺十六代目の私の父である畑岳雄に代わり、わたくし畑辰昇(はた しんしょう)が妙見寺十七代目住職として就任することになりました。住職の任を拝命し、その重責と与えられる使命について、日々、千思万考、精進して参ります。
まだまだ浅学菲才の身ではありますが、これまで以上に檀信徒の皆さまとのご縁を深め、より一層の精進に励み、当寺の護持に邁進いたしますので何卒、ご芳情、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
皆様のご多幸とご健勝を心より祈念いたしまして新命のご挨拶とさせていただきます。合掌
妙見寺 住職 畑 辰昇