-
臘八摂心
2017年12月01日
寒い季節になり、妙見寺のイチョウの木の葉も美しい黄色に色づきました。
皆さん、12月8日は何の日かご存知でしょうか?それはお釈迦様がお悟りを開かれた大切な日です。
お釈迦様は29歳から始めた6年間の苦行を止め、12月1日から8日間坐禅を行いました。そして遂に、12月8日の早朝にお悟りを開かれました。そのお釈迦様のご修行に習い各曹洞宗の修行道場では12月1日から8日まで臘八摂心(ろうはつせっしん)という集中修行期間に入り、8日には成道会といわれる法要を行います。
師走になり皆さんクリスマスや年末年始の準備などでお忙しくなるかもしれませんが、師走は走らず、お寺で静かに座る時間をもってみてはいかがでしょうか。来年もよろしくお願い申し上げます。合掌。 -
ガレージセール
2017年11月01日
11月になりました。今年も残すところあと2か月ですね。
今回は副住職が赴任しております、ハワイ島大正寺での活動をご紹介させていただきます。
先月21日に大正寺ではガレージセールを開催しました。日本ではあまり馴染みはないかもしれませんが、海外のお寺や教会ではファンドレージング(資金調達)の為、定期的にガレージセールが開催されます。名前の通りガレージだけでやるのではなく、お寺の地下やホールなども利用する大規模なものです。開催日の約3ヵ月前からお寺のメンバー様に呼びかけ、それぞれ必要なくなった物、買ったけど使わなかったものなど、色々なものを持ってきていただきます。その為、お寺には台所用品から洋服、家具、おもちゃ、ふとん、仏具などあらゆるものが揃うわけです。それを1つ約25円~500円程度で値段をつけて販売します。
私にとって初めての経験でしたから、わずか25円の物ばかりを販売した所であまり資金調達にはならないかなと思っておりましたが、終わってみると、なんと約60万円!もの資金を調達をすることができました。私にとって今年一番の驚きかもしれません。
ガレージセールを通して、メンバー様は家を掃除する良いキッカケになったと喜んでくださいました。そして使わなくなった物をただ捨てるのではなく、誰かがまたそれを買い、再利用するという「無駄をなくす、物を大切にする」という考え方が仏教の考え方と同じであり、私はとても素敵な活動であると思います。さらにこのガレージセールにはもう一つの狙いがあります。それはメンバー同士の交流です。
同じ目的に向かい、助け合い協力しあうことで、互いに絆を深め、お寺が皆さんのより身近にあるのもだと感じていただく為に開催しております。私はこれからもお寺という場所が、皆さんの憩いの場であり、交流の場であることを感じていただき、定期的にお参りいただきたいと感じております。合掌。
-
初心
2017年10月01日
お彼岸が過ぎ、だいぶ朝晩が肌寒くなってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は皆様に道元禅師様が残された大切な言葉をご紹介させていただきたいと思います。
「身 初心なるを顧かえりみることなかれ」
これはいつも初心を忘れることなく、どんなことにも油断することなく取り組んでいくべきだという、道元禅師様からの励ましのお言葉です。皆さんは「初心」という言葉に関して深く考えたことはございますでしょうか?今日はこの道元禅師が説く「初心」という言葉に関して、とてもその教えを大切にし、よりわかりやすく言葉にされている、アメリカで活躍をした鈴木俊隆老師を紹介したいと思います。鈴木老師はアメリカのZen文化に大きな影響を与えた方です。1959年にサンフランシスコの桑港寺というお寺の国際布教師として日本の静岡県から赴任されました。当時アメリカではカウンターカルチャー(既成の社会体制と価値観からの離脱を目ざす対抗文化)というムーブメントが起き、ベトナム戦争、冷戦などでアメリカ政府に不満を持った若者たちがもっと自由や平和、環境保護などを訴えるようになりました。アメメリカ西海岸にはそんな若者達がたくさん住んでおり、彼らは鈴木老師と出会い、次第に鈴木老師の禅の考え方、禅の修行に興味を持ち始めていったそうです。鈴木老師は55歳からアメリカへわたり、67歳で亡くなるまでのわずか12年間のアメリカ生活でしたが、その間に多くの禅の仲間を増やし、サンフランシスコ禅センターを始め、多くの禅の修行ができる施設が作られました。そして今も鈴木老師の教えが書かれた本が海外の方に広く影響を与え続けています。ご存知の通りIphoneで有名なアップルのスティーブジョブズも彼の影響を受けた一人です。
私も「禅マインド ビギナーズ・マインド」と言う本を読み、鈴木老師のこの言葉がとても印象に残っています。
「禅マインドの修行とは、初心の修行です。初心者の心とは、空であり、専門家の持っている「くせ」がなく、すべての可能性に対して、それを受け入れ、疑い、開かれている、準備ある心です。大切なことは坐禅や日常生活において、どのようにこの初心を保つか」
この言葉を聞いて、私は改めて禅の考え方を見直させていただきました。
大前提として、鈴木老師は禅の心が初心であると説かれています。そして初心とは、様々な考えを柔軟に取り入れることのできる開かれた素直な心です。多くの人は熟練し、何か特別な力を得たり、心境に達したりすることが良いと考えるかもしれませんが、鈴木老師はそうではなく、その初心者の純粋な心を保ち続けることが大切であるとおっしゃられました。
では私たちの日常生活ではどうでしょうか。はじめてスポーツを習う時、はじめて車を運転する時、初めて仕事をする時、緊張もありますがとてもワクワクする感情がありますね。しかしながら、それに慣れてしまうと、真剣さも薄れ、他のことを考えてそれに取り組んでしまうかもしれません。
曹洞宗は生活の全てが修行と言われております。食事の時や掃除の時など、どんな時でも最初に学んだ作法を忘れることなく丁寧に行うことが大切です。
道元禅師の教え「身 初心なるを顧かえりみることなかれ」。初心を大切にするという考え方を自分の日常生活に照らし合わせていただき、今一度丁寧に物事にとりくんでみてはいかがでしょうか。それが大切な禅の心を育てる修行です。合掌。 -
お盆のお勤め
2017年09月01日
9月はお彼岸月ですね。今年は9月23日秋分の日と、その前後3日間がお彼岸の期間となります。今月もお彼岸の期間に限らず、いつも合掌をする心、人に感謝をする心を忘れず毎日を過ごしてまいりましょう。
先月のお盆のご報告ですが、8月の初旬から中旬にかけて檀信徒様のご自宅、または檀信徒様がお寺へお越しになられ、お盆のお勤めをさせていただきました。この時期は私副住職も加わり、住職と手分けをしてお参りをさせていただきました。下記の写真がお盆のお勤めの様子です。
妙見寺本堂でのお勤めです。この日は夜施餓鬼(よせがき)と言って、お亡くなりになられました檀信徒様、妙見寺墓地に埋葬されておられる故人様、三界萬霊(この世あの世に存在する全ての霊)に対してお経をあげさせて頂きました。
本堂でのお勤めの後は、住職・副住職二人でお経をあげながら墓地を練り歩きました。
-
お盆のシーズンがやってきました
2017年08月01日
暑い日が続いております、皆様いかがお過ごしでしょうか。
8月13~15日はお盆の期間です。この期間中はご先祖様が戻ってくると言われております。今一度、仏壇や家の中をきれいに掃除していただき、気持ちよくご先祖様をお迎えできるように致しましょう。
曹洞宗のご詠歌に「盂蘭盆会御詠歌(うらぼんえ ごえいか)」というお盆の曲があります。
「子等の焚く 迎火の炎のさゆらぐは みたまの母の 来たまえるらし」
(子供たちがご先祖様をお迎えするために燃やしているオガラの炎を見て、
ふと亡くなった母が仏様の世界から私たちの世界に尋ねてきたように感じる。)
「迎え火」は故人様が迷わないように帰ってきてくださるように目印となるような大切な「灯り」であり、焚いた煙にのって故人様が戻ってくるとも言われています。私たちは故人様を目で見ることはできませんが、迎え火やお盆の行事を実践することによって故人様を思い出し、感謝し、私たちの想いを伝えることができます。妙見寺では檀信徒様にオガラをお配りしております。今年も是非オガラを焚き故人様をお迎えしていただければと思います。
境内作務のお話ですが、下の写真は住職が枯れた木を伐採したあとに残った切り株です。
外見では気づきませんでしたが、中心は腐って空洞(ウロ)ができています。外見は立派でもこのような木はいつ倒れるかわかりませんのでとても注意が必要です。