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花祭り
2016年03月25日
妙見寺では木蓮や梅の花が咲き、少しずつ春の訪れを感じる素晴らしい季節になってまいりました。
今回はお釈迦様の誕生についてお話させていただきます。なぜなら来月の4月8日はお釈迦様の誕生日だからです。
「花祭り」の名前の由来はお釈迦様がルンビニーの花園でお生まれになってことから花祭りと言われるようになったそうです。
今から2500年前、お釈迦様はカピラ国の王子様として生まれました。お釈迦様の母であるマーヤーは六つの牙をもつ白い象が天から下り、自分の中に入っていく夢を見られたあと、お釈迦様を出産されました。象はインドでは高貴な人の乗り物で、白は最上・最善の意味がありますから、最も優れた人ということを白象で表現しているのかもしれません。
お釈迦様は、お生まれになってすぐに七歩進み、右手で天を、左手で地を指差し「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と宣言されたといわれています。
漢字をそのまま直訳しますと、この世の中で自分が一番えらいんだという訳になりますが、そういう意味ではありません。この言葉は、『自分という存在は誰にも変えることのできない特別な存在であり、その命のまま尊い。』ということが本来の意味です。
しかし、私たちはいつも他人と自分を比べ、誰よりも綺麗になりたい、誰よりも裕福なりたいなどと望みます。そうではなく、例えば花のように、それぞれ違う形の種でも、成長すれば、どの種も綺麗な花を咲かすことができます。私たちも同じで、顔や性格が違うことはその人自身の個性であり、誰もが特別な存在です。
他人と比べるのではなく、自分自身の弱さを認め、他人の生き方を尊重する生き方をすることで誰もが幸せな人生を送ることができます。お釈迦様はこの言葉を叫び、一人ひとりがその命を無駄なく大切にいきるべきであると説かれました。少しずつ少しずつ、仏道を実生活に活かしていきましょう。合掌。