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和顔施
2019年01月01日
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。当山も檀信徒皆様のご慈愛を賜り、新年を迎えることが出来ました。心より感謝申し上げます。
昨年はとても災害の多い年となりました。各地で地震や台風の被害が発生し、より無常を感じられた年になったのではないでしょうか。私の赴任しておりますハワイ島でも火山の噴火により一部の集落に被害がありました。自然災害はいつどこで起こるかわからない時代です。不安を感じる毎日に私たちはどう生きていくべきなのでしょうか。
仏教には「和顔施(わがんせ)」という言葉があります。
相手に笑顔を届けることを仏教では和顔施と言います。和顔施は人の容姿や失敗を笑ったりする笑顔ではなく、自分も相手も幸せになる喜びに満ちた笑顔です。皆さんは赤ちゃんの笑顔を見た時、何を感じますか?自然と場が和み、気づくと赤ちゃんだけでなく自分も周りも笑っています。笑顔には人を幸せにする特別な力があるのです。
お釈迦様はこの笑顔の施しを仏道修行の一つとされました。なぜならそれが私たちの心を豊かにするためにとても大切なことだからです。笑顔は難しいことではありません。物やお金の要らない子供から大人まで誰でもできる布施なのです。
今年は平成も終わり、また新しい時代が始まります。不安なことも多いかもしれませんが、いつも和顔施を忘れることなく共に喜びに満ちた毎日を過ごしてまいりましょう。
それでは皆様のご多幸とご健勝を心から祈念致しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。合掌