妙見寺ブログ

  • お釈迦様と蓮の花

    2017年04月24日

    4月、5月になりますと新芽の変わり目で、妙見寺では落ち葉の掃除がとても大変です。住職は「落ち葉止め」を自作し、落ち葉が排水溝につまらないよう工夫をしています。

    さて、今月4月8日はお釈迦様の誕生日でした。クリスマスを祝っても、お釈迦様の誕生日はお祝いしない方が多いかもしれません。仏教徒でしたら是非この日には関心を持っていただきたいものです。
    今から2500年前、お釈迦様は今のネパールである、カピラ国の王子様として生まれました。
    お釈迦様の誕生日をお祝いすることを「花祭り」と言います。この名前の由来はお釈迦様がルンビニーの花園でお生まれになってことから花祭りと言われるようになったそうです。釈迦様と花はとても密接な関係があるのです。
    皆様はお釈迦さまの像をじっくり見たことはありますでしょうか?お釈迦様のお座りになられている台座は何かの花の形をしています。それは何の花かご存知でしょうか。
    それは蓮の花です。たいていのお釈迦様の像は蓮華座(蓮の花)に座っておられます。
    ではなぜ、お釈迦さまの台座に蓮の花が選ばれたのでしょうか。それは、蓮の花が泥水の中でしか咲かないからです。きれいな水では蓮は立ち上がって来ないのです。蓮にとってどうしても泥が必要なのです。
    お釈迦様は泥を私たち人生のつらいこと・悲しいこと・苦しいことに例えられました。 蓮の花とは、人生の中で花を咲かせること、私たちの人間としての成長を表しています。お釈迦様は、私たちにつらく悲しい思いがなければ、人間は成長することがないのだ、ということを教えてくださっています。 人生の中で辛いこと悲しいこと様々なことがあります。何かを失敗したり、人に叱られたり、楽しことばかりではありません。いつまでもその苦しみを抱え前向きに生きていけない時もあるかもしれません。しかし辛いことも私たちの心を成長させてくれる大切な役目をしてくれていることを私たちは気づかなければなりません。
    私は小さい頃に人からいじめられて嫌な思いをしたことがあります。しかし、そのおかげで私は人が傷つくことの辛さを知り、人をいじめるような行為は絶対してはいけないということを学びました。風邪をひいたり、足を怪我した時は、自由に動けることの素晴らしさに気づかされました。失敗や苦しみで学んだことは私にとって大切な人生の思い出です。
    蓮の花は水の中の泥によって支えられ咲いています。同じように、私たちも多くの経験を支えにして今を生きていかなければなりません。これからどんな辛いことがあっても、私たちは今を幸せに生きるエネルギーに変えていくべきだとお釈迦様は私たちに教えてくれました。 お釈迦様は私たちがどんな時でも心穏やかに幸せに過ごされることを祈っておられます。合掌。

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