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彼岸花
2015年09月21日
朝晩は少しずつ冷え込むようになり、次第と秋らしい季節になってまいりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
妙見寺では彼岸花がこの時期かとばかりに真っ赤な花を咲かしております。
皆様は彼岸花を見られて、何を感じられますでしょうか?
綺麗な花ではありますが、少し不気味、毒があるから怖いというイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。
それもそのはず、彼岸花はアルカロイドを多く含む有毒植物です。間違って口にしてしまうと、吐き気、めまい、更には死に至る危険性があるそうです。
その為、別名で「死人花(しびとはな)」「地獄花」「幽霊花」と言われるそうですから、どれだけ昔から恐れられていたかわかりますね。
しかし、今回は彼岸花は有毒で恐ろしいだけの花ではないと皆様に理解していただきたいのです。
彼岸花は確かに有毒ではありますが、それを利用して大切に守られてきたものがあります。彼岸花の毒は多くの動物にも恐れられるようで、田んぼのあぜ道に植えることでモグラや鼠が穴をあけるのを防ぎ、土葬したお墓の周りに植えることで、動物が遺体を掘り返すのを防ぐ役割があったとされております。
また先ほど彼岸花は「死人花」などの別名もございましたが、「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という別名もあります。曼珠沙華とは法華経などの経典に由来し、天界に咲く花という意味で、おめでたいことが起こる兆しに赤い花が天から降ってくるとされています。また曼珠沙華を見る者の悪業を取り払うという言われがあるそうです。
仏教には「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)」という言葉があります。これは生きとし生けるものどんなものでも仏様になる可能性(仏性)があるというお言葉でございます。
当然彼岸花にも仏性が備わっています。彼岸花は様々な言われがございますが、私たちの生活を守り、ご先祖様を守る大切な花として昔から愛されてきたというのも事実なのです。皆様がこのお彼岸のお墓参りで故人様にお手を合わすように、ふと何気なく咲いている彼岸花をお見掛けしましたら同じようにお手を合わせてはいかがでしょうか。合掌